“Welcome to the Club”お仲間ですね!Part 7

ジャズに接する場の話し 

 ジャズ・ファンの皆様、明けましておめでとうございます。

 2022年が明けてコロナ禍もまる2年になります。このところ我が国ではやや落ち着いていますが、いつ感染拡大に転じるか予測がつかない状況が続いています。昨年も横浜JAZZ協会が制作したいくつかのイヴェントが延期や中止を余儀なくされ、横濱ジャズプロムナードは赤レンガ倉庫一会場のみを使った無観客ライヴ配信となりました。3年連続したプロムナードの中止は痛恨極まりない出来事ですが、横浜ジャズ協会では今年こその意気込みで、捲土重来を期してまいります。

 協会が昨年から始めた新規事業のひとつに「Saturday Afternoon Jazz Party」があります。ゲスト・プレイヤーのトーク・ショウとミニ・ライヴを月に一回おこなうというもので、プロムナードの規模とは比較になりませんが、お蔭様で常連のお客様も増え、一度順延があったものの2021年7月の開始以来12月までに5回開催することができました。

 開催趣旨はジャズ・ファン懇親の場の提供と会員募集です。参会者のなかから年会費を支払って入会された方も多数いらっしゃいます。これもひとつの「ジャズの場」としての機能を果たし始めたようです。 

 新年最初の第6回パーティは1月15日(土)。関内さくら通りに数年前に開店したジャズ・バー“Jazzy After Hours”でおこないます。ゲストは市原ひかりさん。2005年に美少女トランペッターとしてデビューした彼女は、いまや押しも押されもせぬ大スターに成長しました。

市原ひかり(tp,vo)

 こんな彼女が9枚目のCDとして単身渡米し、米国ジャズメンと共演したヴォーカル・アルバムを発表したのが2009年のこと。トランペットと歌といえばなんといってもルイ・アームストロング、そしてチェット・ベイカーですが、彼女はタイトルに「Sings & Plays」と名付けました。そう、チェットの向こうを張ったのです。

「Sings & Plays」MV(2019年)

 僕はこのとき<Jazz Japan>の依頼でモーション・ブルーで行われた発表記念ライヴの評を書きました。

(彼女の)歌は楽器の巧さに免じての余技程度?の気持ちだったが聴いた途端、この予想は完全に裏切られた。結論から言えばわが国が持った最高のジャズ・シンガーの一人だと思ったのである。

JazzJapan2019年7月号

 大げさではなく心底こう感じたのです。またアドリブの巧さについてはこうも書きました。

スキャットは母音少なく子音を多用するから器楽と同じキレが生まれる。フレーズの作り方については流石にトランペッターだけに間然するところなし。これが本来のスキャットというものだ。

JazzJapan2019年7月号

 僕の驚愕が伝わるでしょうか。

 ひかりさんとは昨年の“ちぐさ賞”審査会でも一緒だったのですが、このときも休憩時間に「ヴォーカル論」で盛り上がりました。英語でスタンダード・ソングを歌えばそれがジャズ・ヴォーカルという、いまや蔓延しているともいえる勘違いに僕も日頃から大反対なので大いに共感した次第。ひかりさんは確かなジャズ・ヴォーカル観を持っており、研究もトレーニングも深いものがあります。パーティーでは彼女のこうしたジャズの捉え方を披露していただき、ミニ・ライヴもお届けします。みなさんのご来場をお待ちしています。

Saturday Afternoon Jazz Party Vol.6

日時:2022年1月15日(土)14:00~17:00
出演:市原ひかり(tp,vo) 他
会場:JAZZY AFTER HOURS(関内さくら通り)
横浜市中区南仲通 3-30-2 関内新電ビル2F
TEL & FAX 045-264-4524
https://www.jazzyafterhours.jp/ja/
※お席に限りがありますので、以下フォームまたは店舗までご予約をお願いします。
会費:1,500円(飲食代別)